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最高裁判所第二小法廷 昭和40年(オ)579号 判決 1968年3月29日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人武岡嘉一、同内田仙次、同神尾弌春、同山菅正誠、同飯沢重一、同双川喜文の上告理由第一点について。

所論の点に関する原審の認定は、挙示の証拠関係に照らして正当としてこれを肯認することができるところ、右認定の事実関係に照らせば、閉鎖機関保管人委員会委員長が本件預金債権の準占有者であるとした原審の判断は正当としてこれを肯認することができ、原判決には所論の如き違法はない。それ故論旨は理由がない。

同第二点について。

所論の点に関する原審の認定は、挙示の証拠関係に照らして正当としてこれを肯認することができるところ、右認定の事実関係に照らせば、被上告人が閉鎖機関保管人委員会委員長をもつて本件預金債権を正当に行使する権限がある者と信じたことに過失はないものというべく、被上告人に過失があつたことを認めることのできる資料はないとする原審の判断は正当である。それ故原判決には所論の如き違法はなく、論旨は理由がない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 色川幸太郎)

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